必然と偶然と奇跡

時々桔梗太鼓のメンバーに話すことがある。
桔梗太鼓の発足には、いくつかの偶然と、いくつかの必然と、いくつかの奇跡で、成り立った。
2017年の桔梗太鼓発足直前、僕は和太鼓を辞めていたし、なんなら和太鼓に嫌気すらさしていた。

そんな中で、いくつかの偶然と奇跡が重なり、必然的に桔梗太鼓が立ち上がったのだと思う(この話は長くなるからここでは割愛。この後の話も長いけど)。

そして、桔梗太鼓発足後、本当にたくさんの素敵な人たちに出会ってきた。これも、出会うべき人に出会い、これは奇跡であり、僕にとっては必然だったのかもしれない。

大企業に勤めていた頃、(お客様は神様)だった。企業人として、どんなにひどいキチガイクレーマーも(お客様は神様)として対応していたし、そう教育を受けていた。
大企業を離れ、小さな文房具屋さんで太鼓連を運営するようになって、少し考えが変わった。僕一人にできる事は限られている。この(限られた出来る事)を、僕の身の回りに居る
大好きな人たちの為に時間を費やしたいと。

時々、(理不尽、不条理、身勝手、権力)使えるあらゆる手段を使って、(僕を使おう)とする人がいる。(お客様は神様)の精神からすると
最善を尽くすべきなのかもしれない。 でも、今の僕は、その場合全力で拒否をする。断る。それが例え商売に繋がり利益を生むとしても、全力で断る。
僕一人に出来る事は限られている。そんな限られた時間を、そんな理不尽な人たちの為に使うなんて無駄使いはしたくない。
自分の身の回りに居る人が幸せになれる努力を小さくコツコツ重ねていく、同じ考えの人が集まれば、そこに幸せとか平和とか、そういう言葉が生まれるのかもしれない。

さて、この壮大な話はどこに向かうのか。
話したいのは、奇跡とか、偶然とか、必然の話。

木曽福島(片道一時間強)という街から出演依頼を頂いた
二つの酒蔵と一つの味噌蔵での蔵開きのイベント
蔵開きに伴い、街中であれこれとイベントが開催される
朝から各蔵に出向きお祝い演奏

一発目はここ。七笑酒造(ななわらいしゅぞう)

行きの道中。雨模様だったが、、、やはり晴らした。

こう見えて、かなり寒い

七笑(ななわらい)というお酒には大変深い思い入れがある。
大企業の転勤族時代。私が大切に飲んでいたのがこの七笑のお酒。
一般的には瓶詰の物を買うが、長野県の地元スーパーでは、1.8リットルの
パックに入ったお酒が売られていて、地元民はこれを買う。
帰省をするたびに、このパックのお酒を買って帰り
大都会で一人小さくちびちびとこれを飲んでいた。信州を思い出しながら。
やはり、信州が大好きだった、私にとって、転勤族で地元を離れることは、
心のどこかで、いや、身体全体で拒否反応を起こしていたように思い出す。
そして、当時大嫌いな上司が居た。本当に大嫌いだった。
そんな上司に何かの気の迷いで、この七笑のパックのお酒をお土産に持って行った事があった。
僕が彼のことを大嫌いだったことは、きっと彼も知っていたはず。
だけれども、このお酒を飲んで、大変喜んでくれた。喜びよりも感動に近い表現をしてくれた。
それからというもの、この七笑のお酒が、僕と、大嫌いな上司をつなぐ、糸のような役割を果たすようになった
時期を見て、何かあれば、私は七笑をお土産に持っていくようにした。大嫌いな上司も、これを大変心待ちしてくれていた。

大嫌いな上司との距離を縮めたのは紛れもなく、このお酒でした

今回のこのご縁で、この酒蔵で演奏できることは、僕にとってはとても感慨深い事でした。
転勤族時代の僕と、今の僕と、ちゃんと心の線で繋がったような出来事でした。
一発目の演奏から涙でいっぱいになりそうでした。

そして本日2発目はここ!
中善酒造店様(なかぜんしゅぞうてん)

民謡木曽節! (木曽のナー 仲乗(なかのり)さん♪)
で有名なここです。

試飲もさせて頂き、この街のお酒のレベルの高さを改めて実感。飲みすぎると演奏に響くのでほどほどに。

そして本日三度目(最終)はここ!!!
小池糀店様

本日の出演依頼をしてくださったお味噌屋さん

車が行きかう市道を挟んで見るという場所でしたが
大変沢山の方が、私たちの太鼓を楽しみに来てくださいました。

天気も良く、大変大盛況でした!!!

そして、今回のこの出演。片道一時間強という距離の街から依頼があったのは
実は、メンバーの育った土地だったからでした。
この街に向かう道中や、この街で見せる彼女の表情は、いつもと違い
優しさや、喜びや、懐かしさや、幼さを感じる、素敵な表情でした。
この街の全ての人が彼女を知っていて、彼女はこの街と共に育ったんだなぁ~と実感。
今日一日かかわった全ての方々が本当に親切で丁寧で優しくて、僕たち全員を家族のように
迎え入れてくれました。

その後こうじ味噌を作る過程も教えてくれました

こうじがある部屋に向かう階段

僕の口からは上手に説明できないけど、これがこうじ!
温度湿度がしっかり管理され、24時間たやす事なく、
泊まり込みで人の手で管理される。
こうじは生き物だと知った。
ちなみにこの部屋は湿度が80%以上あって、おそろしく蒸し暑い

そしてこの時頂いた味噌を作る過程


完全に僕が説明できるレベルを超えているが
これが、後に僕らが口にするお味噌にかわるらしい。
ジブリ映画のナウシカを思い出した。

他にも街ではジェラート屋さんが本日限定で
日本酒やこうじ味噌コラボ商品を出したりしてました

長編大作となったこの記事も終わりを迎えようとしている。
偶然とか奇跡とか必然の話
この街で出会った全ての人たちは、偶然か、必然か、奇跡か
どうかはおいて置いて、出会うべきして出会ったとおもった

考えてみれば、今日の出演は
桔梗太鼓があったから依頼が来て
桔梗太鼓にこの街で育ったメンバーが居たから依頼が来て
この街で育った彼女が桔梗太鼓に居てくれたから依頼が来て

今日出会ったこの街の全ての人たちは
桔梗太鼓にとって、とても大切な財産となる人たちでした
この街の人たちに少しでも応援して頂けるよう、日々精進しようと決めた
出来事でした。 

 木曽福島の街で出会った皆様。本当にありがとうございました。
 これからも桔梗太鼓をよろしくお願い致します。

2022年04月16日